ボーイズロード ―second season―
「……それは、破局の予感ですな。俺にはわかる」

「だけど賢太くんって元からあんな感じだし、彼女相手でもおんなじなんじゃない?」


若がうーんと、唸る仕草をする。考えているフリをしながらも、おにぎりを食べる手は止まらない。


「げ、梅干しだ。俺、鮭かおかかのどっちかがいいって言ったのに」

「作ってもらって、なに文句言ってんの」


「母さん、梅干しの日は手抜きなんだ。鮭は焼かなきゃならないし、おかかは醤油と和えるからね」

「どうでもいいよ。早く食べなきゃチャイム鳴るよ」


残りのおにぎりを若が一気に平らげる。どうやら、梅干しの種はあらかじめ抜いてあるようだった。

息子に手抜きと言われた若の母さんが、不憫でならない。

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