ボーイズロード ―second season―
「寝てる暇あるんだったら、あおちゃんのところに行けばよくない?」

「遠いから面倒くさいんだって」


あおちゃんのクラスは8組だ。1組の教室からは一番距離が遠い。


「俺だったら、面倒くさいことよりも彼女を優先するけどなあ。会いたくならないのかな?」

「さあ」


「ところで琢ちゃん」

「なに」

「君はなんでここに来たのかね?」

「賢太くん寝てるし、暇だから……」


答えている途中で、一つ思い当たった。俺、人のこと言えないなあ。

さやかの教室も7組で、俺のクラスからはまあ遠い。いや、今言っても言い訳にしかなんないんだけどさ。


ニヤついてる若が、得意気になって言った。


「そういうことですよ」

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