ボーイズロード ―second season―
「琢、今日はメシ食うの随分早いな」

「うん。これから7組行こうと思って」


さやかとは会う約束をしているわけじゃないけど、彼氏なんだからいつ会いに行ったっていいよね。

7組の時間割は把握していないけど、昼休みなら時間はあるし、移動教室があっても大丈夫だ。


……あれこれ考えているうちに、結局不安になってしまったのは俺の方だった。


昨日あおちゃんが言ってた、『自分のことが好きじゃないのかな』っていうのが、急にわかる気がしてしまったんだ。


「あ、琢ちゃん。ちょっと待って」


弁当を片付けて教室から出ようとしたら、ニーナが追ってきた。


「7組行くならさ、石川に教科書返しといてくんない?俺も今一緒に4組まで行くわ」


「それ借りてたの昨日だったよね?まだ返してなかったの?」

「まあな。7組は明日まで生物ないって言ってたし、元々この時間に返そうと思ってたんだ。じゃあな、若に賢太くん」


本当にちゃっかりした奴だ。ニーナから教科書を預かるため、4組の教室に寄ることになった。

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