三角形の幼馴染
新しい街に来た。
暇だった。
何もわからず、どこで遊んでいいのかもわからなかった。

小学校にも入り、
新しい街に来てちょうど一カ月が経った日の事。

新しい家は風がよく入ってくる。
網戸が新しいせいなのか、すごく風が気持ちよかった。
春風というものかもしれない。
春風に当たりながらうとうとしていると・・・・

♪♪♪♪♪・・・・

電話だ。
まだ置くところがないので床に置いてある。
お母さんが出た。誰かと話している。

・・・でんわ?

そうだ、りょーと樹に電話しよう!!!!
そう思い、お母さんの電話が終わると
りょーにかけてもらった。

プルルルル・・・・♪

どうしてだろう。
いつも一緒に遊んでいた友達なのに
話すことがすごくどきどきする。
今にでも周りに聞こえそうな鼓動音を抑え、
電話がつながるのを待つ。
ほんの数秒の出来事だろう。
しかし、何故か遅く感じた。

「もしもし?」
りょーのお母さんの声だ。

「夢です。りょーくんいますか?」
「あ、夢ちゃーん!ちょっと待ってね。」

向こうの電話から世界でひとつだけの花の音楽が流れた。
そのことに驚き、歌っていると・・・・

「夢!!!!!!?
おい、樹!!!夢から電話だ!!

(え!!夢!やったね!)」

あー。二人の声だ。私の大好きな。

一カ月会ってないせいか、
会いたくて仕方ないせいなのか、

とても懐かしく感じた。

りょー「小学校は楽しい?」
樹「俺は楽しいよ!!!」
りょー「樹に聞いてないよ!!」

そんな二人らしい会話が聞こえた。

「小学校、あんまり楽しくないんだ。
お友達は出来たけど・・・・
二人に会いたいな・・・」

りょーと樹は黙ってしまった。

すると・・・

りょー「 俺はダデイ(父)が家にいないとき、
     
     空を見るようにしてる。

     空の下にいる限り、俺がずっとそばにいるから!!」

樹「 俺も!!! 」

そう言ってくれた。

「うん、ありがと!!」

小学校1年生の私たちだったけれど、
その言葉は今でもはっきり覚えている。

それから他愛もない会話をし、
電話を切った。

どこか声だけなのに

安心した。
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