みかん 〜不器用な恋〜
そんな事を考えてたらあっという間に3日たってて…。
気持ちは沈むばかり。
だけど決心は揺るがない。
覚悟を決めて昴君の元へ行くと、チラッとこっちを見た。
その目が、「あっちへ行け」「邪魔だ」と言っている事は分かっているけれど、今回ばかりは引いてやらない。
「ねー、昴君。今日一緒に帰ろー?」
緊張が伝わらぬ様に。
なるべく普通に。
なるべく冷静に…。
だけど返ってきた返事は、とっても冷たいもので。
「ごめん…むり。」
の一言。
あぁ。
分かってたけどさ…。
昴君を前にすると想いが溢れちゃうや。
これ以上君といたら、私が壊れてしまう。
ーーー涙腺が破壊する10秒前ーーー
ーーー君との関係を崩す10秒前ーーー
今から10秒後の世界は、きっと白黒の世界だね。
「みかん」みたいに色付いていなくて。
「みかん」みたいに甘くなくて。
1つ、「みかん」に似ている所を挙げるなら、酸っぱい所かな。
「ありがとう。」
正直、断られて「ありがとう」と言うのには違和感があるけれど…。
いままでの生活に対しての「ありがとう」だから。