Deep lover...
2nd.Song...
翔Side・Heavenly
「お疲れー!」
「お疲れさんー!」
「翔!今日も良かったよ!」
「サンキュー」
ライブが終わって、控室に戻った。
とにかく熱い身体に、冷たい水を流し込んでやる。
他のメンバー達も、同じように達成感に満ちている。
「なぁ、一番後ろにいた女の子見た?」
「あー!あの茶髪で巻き髪の女の子だろ?
見た見た!マジ可愛かったよな!」
「俺かなりタイプなんだー、あーゆー子」
「ライブ慣れしてなさそうで、初々しかったしな」
メンバー達が話してる「女の子」が誰の事なのか
俺にもすぐにわかった。
「なぁ翔。お前も見たか?!」
「あぁ、見たよ」
「また来ないかなーあの子。
俺マジ気に入っちゃったよ」
「だーめ。
アイツ、俺のだから。
手ぇ出すなよ?」
「…は?」
俺の言葉に、ぽかんとするメンバー達。
「ちょ…あの子もしかしてお前の女?!
だってお前彼女いないって…」
は…何マジになってんだか…。
…あぁ、マジで一目惚れしちゃってたのね…。
「いつまでも女の話してないで、打ち上げ行こうぜ!」
その場は真の一言で終わった。
真…麻生 真司<アソウ シンジ>は、俺の一番の親友で、バンドのドラマーだ。
高校も同じだったから…当然今話題になっている「女の子」の事も分かっているはず。