Deep lover...

裏切る・選択


―――…


「あ…」


「おっす。バイトお疲れ。
ちょっと…いいかな?」


バイトが終わって店を出たら、外に麻生君がいた。
昨日の今日で…少し気まづかった。
たぶん麻生君は、昨日翔と会った事を知っているだろうし…。









喫茶店に入った。

どうやら気まずいと思ってるのはあたしだけのようで
麻生君はすっきりした顔をしている。


「はい」


差し出されたのは、ライブのチケット…。
だけど、いつものと少し違っていた。


「ホール…ライブ…?」

「そ。初めてのワンマンライブ。
完全予約全席指定で、もう完売したみたい」

「へぇ…おめでとう…」

チケットをよく見てみたら、席番が書いてあった。
その横に、「黒崎美結」と、あたしの名前が入っていた。


「これ…なんであたしの名前が?」


「それは美結ちゃんのチケットだから」


「でもあたし、予約なんて…」


「翔が手配したんだよ。
昨日、それを渡しに行ったんだと思う」
























翔は、これを渡しに来たんだ…。





















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