Deep lover...

翔の声。翔の歌。

翔の声はとても魅力的だったし

歌もうまかった。

あの声で囁かるのが好きだった。

あたしを捕らえて離さない。

あの低く…けれど澄んだ声。




















「ねー、「Heavenly」のライブ行く~?」

「当然!翔様に会う為ならどこだっていくよぉ~w」









聞きたくなくても聞こえてくる会話。

決して耳を傾けているわけではないけど…。

女の子が、翔の話をしているのが…悔しかった。


あの子たちは、翔に会えるんだ。

翔の歌を聴いて

翔の名前を呼んで…。












悔しいんじゃない。


羨ましいんだ…。






















近くに住んでるはずなのに

この一年間、翔とすれ違う事も見かける事もなかった。

だけどそれが逆に良かったと思う。

もしも翔に彼女が出来ていたら

一緒に歩いてるところを見てしまったら

あたしはたぶん…
















壊れてしまう。
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