Deep lover...
「あれ?美結ちゃんじゃない?」


「あ…」


呼ばれて振り返った先には…

翔の親友の麻生君がいた。


「久しぶり!卒業式以来だね」


駆け寄ってきた麻生君に笑いかけて、しばらく同じ道のりを歩いた。


「そいえば、翔の事だけど、美結ちゃん、ライブは行ったの?」


「…ううん。もう会うつもりもないし」


「え、でも…」


「もう、その事は言わないで。
あたし達は終わったんだから」


あたしの一言に、麻生君が口ごもった。

何か言いたそう。

だけど何も言わなかった。

麻生君は翔とよく会っているだろうし

ホントは沢山訊きたい事があった。

だけど、知るのが怖くて、何も訊きたくなかった。




「美結ちゃん、翔のライブ行きたくなったら俺に言ってね」


「ありがと。…でも、行く事はないと思うよ」







曖昧な返事をして、麻生君と別れた。
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