忘れたはずの恋
いつの間にか、眠っていた。
激しい雷雨の音で目が覚める。
部屋の明かりは落とされていて、カーテンから洩れる街灯の光が僅かに部屋の中に入ってきていた。
今、何時だろう。
そう思って動こうとしたのに動けない。
…後ろから羽交い締めね、コレは。
肩辺りに小さな寝息が降りかかる。
細い体なのに、案外、力強い。
いや、私を軽々抱き上げた時点で凄いと思う。
ゆっくりとその細い腕を体から剥がした。
そして向きを返る。
幼い寝顔がそこにあった。
特に美形、という訳でもない。
でも、可愛らしい顔をしている。
10歳、私が若ければ。
恋愛とかあったんだろうね。
大東さんが言ってたような反応が世の中は普通で。
吉田総括のような、10歳年上女房の方が珍しいし、叩かれる。
テーブルに置いたスマホを手に取る。
まだ、2時半を過ぎたところだった。
目が痛い…。
泣きすぎた。
でも、スッキリした。
起きているのもダルいのでもう一度、横になる。
藤野君が気になって寝られないけれど。
少し離れて横になった瞬間、稲光と轟音。
「うわっ!」
思わず声を上げて飛び起きた。
立ち上がって窓にかかるカーテンをそっと開ける。
滝のような雨が降り続いている。
また空全体が光ってビクッ、とする。
「怖いなら見なければ良いのに」
「きゃあ!」
後ろから急に声がして更にびっくりする。
藤野君は髪の毛をクシャクシャっと掻き上げ、
「目、腫れすぎです。
冷やした方が良いですよ」
そう言うとチェストからタオルを取り出して水で濡らしていた。
「こっち、来てください」
藤野くんはさっき寝ていた場所に座り、太股を叩いた。
「ここに寝てください」
えー!!
「…目、腫れたまま明日帰るんですか?」
…藤野君の完璧な戦術には降参だわ。
言われるがままに太股の上に頭を乗せた。
…えっ?
慌てて起きる。
そして思わずその太股を触る。
「…セクハラにでも目覚めたのですか?」
苦笑いの藤野君。
「…凄い筋肉、してない?」
「そりゃ、毎日鍛えてますから」
ハーフパンツの裾を捲り上げると、綺麗な筋肉が付いた太股が見えた。
「凄い!」
全く隙がない体、とでもいうべきか。
「あ、やっと笑った〜!」
私の顔を見て、藤野君は嬉しそうに笑っていた。
激しい雷雨の音で目が覚める。
部屋の明かりは落とされていて、カーテンから洩れる街灯の光が僅かに部屋の中に入ってきていた。
今、何時だろう。
そう思って動こうとしたのに動けない。
…後ろから羽交い締めね、コレは。
肩辺りに小さな寝息が降りかかる。
細い体なのに、案外、力強い。
いや、私を軽々抱き上げた時点で凄いと思う。
ゆっくりとその細い腕を体から剥がした。
そして向きを返る。
幼い寝顔がそこにあった。
特に美形、という訳でもない。
でも、可愛らしい顔をしている。
10歳、私が若ければ。
恋愛とかあったんだろうね。
大東さんが言ってたような反応が世の中は普通で。
吉田総括のような、10歳年上女房の方が珍しいし、叩かれる。
テーブルに置いたスマホを手に取る。
まだ、2時半を過ぎたところだった。
目が痛い…。
泣きすぎた。
でも、スッキリした。
起きているのもダルいのでもう一度、横になる。
藤野君が気になって寝られないけれど。
少し離れて横になった瞬間、稲光と轟音。
「うわっ!」
思わず声を上げて飛び起きた。
立ち上がって窓にかかるカーテンをそっと開ける。
滝のような雨が降り続いている。
また空全体が光ってビクッ、とする。
「怖いなら見なければ良いのに」
「きゃあ!」
後ろから急に声がして更にびっくりする。
藤野君は髪の毛をクシャクシャっと掻き上げ、
「目、腫れすぎです。
冷やした方が良いですよ」
そう言うとチェストからタオルを取り出して水で濡らしていた。
「こっち、来てください」
藤野くんはさっき寝ていた場所に座り、太股を叩いた。
「ここに寝てください」
えー!!
「…目、腫れたまま明日帰るんですか?」
…藤野君の完璧な戦術には降参だわ。
言われるがままに太股の上に頭を乗せた。
…えっ?
慌てて起きる。
そして思わずその太股を触る。
「…セクハラにでも目覚めたのですか?」
苦笑いの藤野君。
「…凄い筋肉、してない?」
「そりゃ、毎日鍛えてますから」
ハーフパンツの裾を捲り上げると、綺麗な筋肉が付いた太股が見えた。
「凄い!」
全く隙がない体、とでもいうべきか。
「あ、やっと笑った〜!」
私の顔を見て、藤野君は嬉しそうに笑っていた。