忘れたはずの恋
「吉永さんも今度、一緒に飲み会来ませんか?」

武田さんの声にハッと我に返った。

「…あー」

視線を上に上げた。

…断る!

「ごめん、結婚したいとは思っていないから。
もう少し、仕事を頑張りたいの」

「ですよねー!
集配に行くなら尚更ですよねー!」

自分がきっかけを作ったとはいえ、大東さんのその発言には少し参った。

周りはどんどん結婚して子供を産んで。

お母さんになっていって…。

憧れない訳がない。



でも、お見合いも面倒でしたくない。

恋愛なんて尚更イヤ。

当分は仕事に没頭しようかしら。

新しい部署に行くわけだし。



私の送迎会はそんな感じで終わってしまった。
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