空色キャンディー
離した手。繋いだ手。
スルリ。

力なく滑り落ちた手。

無意識に繋いだ手。

1人、握りしめた拳の中に残る温もりで、繋がっていた事実を感じる。



きっと、否、絶対。

君は怒ってる。



自分の女々しさに腹が立った。

けど、今さら、どうする事もできなくて。


君の顔から逃げるように下を向いた。


時の流れが気持ち悪いぐらいに遅く感じる。

遠くで踏切の音。

カンカンカン…という警告音だけが正しい速度で時を刻む。

しばらくすると踏切の音が止まって、また、自分の鼓動だけが身体に響いて聞こえ始めた。

もう、この音は聞き飽きた。


数秒間の静寂。
もうすぐ止まりそうな時の流れ。

それを動かしたのは予想外の優しい君の声だった。
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