柊くんは私のことが好きらしい
「ひまりの、そういう、取り繕うとしないところが好き」
「……」
「無理に格好つけようとしない、背伸びしないところも。人に流されたりしない、自分を持ってるところも。言いたいことは言いながら、人の気持ちを考えられるところも。それを自然体でできるひまりに、惹かれた」
「きゅ、急だなあ……」
「そうやって赤くなって小さくなるのも嫌いじゃない」
「~っちょっともう、ホントにやだ……!」
こんなに熱くなるんだってくらい顔が! 顔が溶ける!
「なんでって聞いたのは、ひまりじゃんか」
「それはそうだけど……!」
赤くなることを指摘されて赤面しないとか無理でしょ! 少なくとも私は暫く顔を上げられませんよ!
「そういう、余裕ないところもいいって言ってるのに」
どういうこと!? 余裕のなさがいいっておかしくない!? むしろそんなこと言っちゃう柊くんってなんなの! 余裕かよ!
「わ、私は、これでも、必死で……っ柊くんからすれば、めずらしくておもしろいだろうけどっ」
「あー……いや、面白がってるんじゃなくて。なんていうかな……余裕あるふりをしないのがいいってこと」
ニュアンスが変わっただけで言ってること同じでは……。