風の子坂を駆けぬけて


健は少し嫌がっているようにも見えたが、明日香にされるがままという感じだった。


(そうだもん……。いつもたー君は、怒らない)



知優は明日香達の中に加わることはなく、一人もやもやしていた。






――――――――――*゜—―*゜——


小学校に上がり、知優、胡桃、沙耶、明日香、そして健も一緒にみんな同じクラスになった。

数少ない仲の良い友達が一緒のクラスともなれば、知優はもう本当に救われた思いだ。

むしろ心強くもある程。




クラスの中でのちょっとした流行りもの。

それはその時々で変わっていく。



入学して間もなく彼女達のクラスの中で流行り出したのが、プロフィール帳。

バインダーから紙を取り出し、書いて欲しい人に渡し、書き終わったら戻してもらう。


このやり取りが休み時間を賑わしていた。



もちろん、彼女達4人もその中の一人で、それぞれ持ち寄ったプロフィール帳をクラスメイトに配っていた。



ただ、知優のプロフィール帳だけはなかなか配れず、埋まっているのは今のところ、胡桃と沙耶の分。
< 20 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop