風の子坂を駆けぬけて
そわそわした慣れない学校生活もすっかり落ち着き、その頃にはクラスで仲の良いグループも固まり、夏休みも近づき始めていた。
そういう意味では、待ち遠しくそわそわしていた。
特に待ち望んでいたのは知優。
相変わらず休み時間には一人教室に残って、らくがき帳を開いて鉛筆を走らせていた。
幼稚園の頃と違うのは、自分用の机があって、画用紙サイズだったらくがき帳が、糊付けで閉じられたノートサイズになったことと、描く道具がクレヨンから鉛筆に変わったことだ。
慣れない鉛筆を握って描くのは少しばかり大変。
園庭よりずっとずっと大きくて広い校庭に、チャイムと同時に一斉に駆けだしていくみんなの気持ちと同じにはなれず、それよりノートを開いている方が心地よかった。
幼稚園では一緒に絵を描いていた沙耶も、校庭へと出ていくことが増え、気づけば教室に知優一人きりになることもしばしば。
そういう意味では、待ち遠しくそわそわしていた。
特に待ち望んでいたのは知優。
相変わらず休み時間には一人教室に残って、らくがき帳を開いて鉛筆を走らせていた。
幼稚園の頃と違うのは、自分用の机があって、画用紙サイズだったらくがき帳が、糊付けで閉じられたノートサイズになったことと、描く道具がクレヨンから鉛筆に変わったことだ。
慣れない鉛筆を握って描くのは少しばかり大変。
園庭よりずっとずっと大きくて広い校庭に、チャイムと同時に一斉に駆けだしていくみんなの気持ちと同じにはなれず、それよりノートを開いている方が心地よかった。
幼稚園では一緒に絵を描いていた沙耶も、校庭へと出ていくことが増え、気づけば教室に知優一人きりになることもしばしば。