風の子坂を駆けぬけて
また、引き受けることがここまで手を焼いてくれる桜子に対しての感謝の表れでもあった。
楽器を変え、鼓笛隊クラブでの時間を知優もようやく楽しめるようになったのはそれから2ヶ月後のこと。
夏休みがまた始まる、そんな頃だった。
休みに入っても何度か練習があった。
暑い中大変ではあったが、先生の差し入れのアイスが食べれたり、何より学校がなくても友達に会える楽しみで、どうにか乗りきっていた。
夏休みが明けると、急激に身長が伸び出した子がちらほらいたり、誰かは洋服や髪型にこだわり出したりと、春の頃よりどこか大人びて見えるようだった。
――――――——――*゜――*゜――
10月。ついに訪れた鼓笛隊クラブの大舞台、運動会での公演。
鮮やかな赤と紺と白の配色のユニフォームに身を包み、本番を迎えた。
知優は普段穿かないスカートに、妙に落ち着かなかったが、かねてから衣装にも憧れていた胡桃は大喜びだった。
開会式のオープニングパレードとして、鼓笛隊が出場。
行進しながら演奏を進めていく途中でのこと。
知優は自分の学年の整列した中でちらっと目が一瞬合った人がいた。
楽器を変え、鼓笛隊クラブでの時間を知優もようやく楽しめるようになったのはそれから2ヶ月後のこと。
夏休みがまた始まる、そんな頃だった。
休みに入っても何度か練習があった。
暑い中大変ではあったが、先生の差し入れのアイスが食べれたり、何より学校がなくても友達に会える楽しみで、どうにか乗りきっていた。
夏休みが明けると、急激に身長が伸び出した子がちらほらいたり、誰かは洋服や髪型にこだわり出したりと、春の頃よりどこか大人びて見えるようだった。
――――――——――*゜――*゜――
10月。ついに訪れた鼓笛隊クラブの大舞台、運動会での公演。
鮮やかな赤と紺と白の配色のユニフォームに身を包み、本番を迎えた。
知優は普段穿かないスカートに、妙に落ち着かなかったが、かねてから衣装にも憧れていた胡桃は大喜びだった。
開会式のオープニングパレードとして、鼓笛隊が出場。
行進しながら演奏を進めていく途中でのこと。
知優は自分の学年の整列した中でちらっと目が一瞬合った人がいた。