風の子坂を駆けぬけて

ほうき星の刻



2年後の春。



彼女達は6年生となり、小学校最後の年となった。


クラブ活動に加え、委員会活動に下級生のお手伝いと、任される役割も責任も増えていた。



そして2年前と変わったことも増えた。


クラス替えでは知優と胡桃と明日香は同じクラスだったが、沙耶一人だけ彼女達と別れてしまった。
けれど知優と沙耶は同じ図工クラブを選んでいて、疎遠にはなっていなかった。

胡桃はダンスクラブに入部し、唯一明日香だけが鼓笛隊クラブを3年間続けていたのだった。



委員会にいたっても、4人は様々な選択をした。


知優と明日香は図書委員で、胡桃は放送委員に、沙耶は環境委員だった。




もうあの頃のような、『みんな一緒』という選択はなくなっていた。


やりたいものを選ぶということ。


変に遠慮したり気を遣ったり、そういう類は今の4人にはない。




自分のやりたいこと、好きなことを正直に発信する。

確実に心の成長も見えるようになっていた。



それと同時に恋の方面でも、彼女達はそれぞれの思いを抱え歩み始めていた。













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