モテてしまう俺



この時間帯には、おもしろい番組はやっていなかった。

ただ、適当にリモコンのボタンを押して、チャンネルを変えていた。

テレビの隣に置いてある小さなくまの時計を見てみると、時刻は10時50分を回っていた。


俺の家から待ち合わせの場所までは歩いて約10分だ。

ちょうどいい時間帯だったので、俺はテレビを消し、家を出た。




歩いて行くと、ようやく待ち合わせ場所へと到着した。


だが、まだ淳也の姿が見えなかった。


「ったく、おせぇーな…」


携帯を開け、画面に書いてある時間を見てみると、11時03分だった。


『俺が早いんか…』

と心の中で思った。



「ねーねーあの人やばない?」

後ろから聞こえてきた、ひそひそする声。



「あー、ホントだっ!やばいカッコイイ〜」


なぜか興奮気味な知らない女子。



そんな人達は無視無視…
と自分に言い聞かせた。


てか、淳也が早く来ればいいんだよ!!

と淳也にキレていた。




「あ〜ごめん!!ほんのちょっと遅れた!!」


ようやく姿を表した淳也。なんか淳也の服の着こなしが、妙に張り切っているよいな……


「真地!お前来るの早過ぎじゃね?もしかして、楽しみにしてた?」


ニヤニヤする淳也。
だが、そんな淳也を無視して、俺は淳也に聞いた。



「何でそんなにキメてんの?」


「あーこれ?だってさお前と歩いてたら、俺が目立たないからさ☆」



「はぁ〜〜」



こっちは好きで目立ってないし、てか目立ってないから…。


言う気力を失った俺は、さっさと足を動かせた。


「お…おいっ!待てよ!!」

淳也を置いて…(笑)
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