モテてしまう俺
「眠い〜〜〜」
後の席から淳也の声が聞こえたが、そんな淳也を無視して、俺は夢中にゲームをしていた。
教室には、俺がしているゲームのBGMが響き渡っていた。
「真地〜何やってんの?」
斜め前に座っている女子の藤本に声をかけられた。
そいつといた三人が席に座りながら一斉にこっちを見ていた。
「ゲームしとる」
適当に答えて、またゲームに夢中になる。
その中には坂田もいた。
ちらっと坂田の方を見てみると、坂田だけが前を向いていて笑っていた。
俺に背を向けていた。
少し、胸が高鳴る。
なぜかは知らないが…
すると、藤本がいきなりこんな事を言い出した。
「ねーねー、アド教えて〜?」
藤本が言い出すと、一緒にいる女子も「私も〜」っ言いながら携帯を取り出した。
『きた…』
呆れたが、断る理由がない。
「いいよ」
「やった〜★!!」
藤本達は直ぐさま席を立ち、俺の所まで携帯を持ちながらやってきた。
だが、坂田一人だけは席を立たずにそのまま座っていた。
トキン……
また胸が小さく鳴る…。