あたしのオキテ-切なくて、でも忘れられない
あの、かっこいい人が翔くんの友達なの?



翔くんの彼女の声が聞こえた。



翔くんは、なんとなく、うなずいた。



なんか、がっかりだ。なんだ、翔くんなんて、ただの男じゃん。彼女にメロメロなのに、あたしと寝てる最低な男。



廊下で、湊くんに寄りかかって、ぼんやりと考えた。



なさけないな、あたし。ありがとう、湊くん。



みこ、マジ、あいつ最低じゃん。



湊くんは、本気でいらいらしてた。



本当だね。みんなに最低なのかと思ったら、あたしにだけだったんだね。ははは。



化粧が崩れないように、涙を拭いていたら、湊くんが、私の目のしたに優しくキスした。



しょっぱい。



湊くんは、言った。



涙だからね。



そう言って、なんだか変な雰囲気になったような気がしたあたしは、湊くんの手をとって、テーブルに戻った。


























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