あたしのオキテ-切なくて、でも忘れられない
友達ってこと?



そうだよ、大事な友達で、同期で、いつも助けられてるよ



俺も、いつもありがとう



頭を掻きながら、湊くんは苦笑した。



チャーミングな仕草だなっと、一瞬思った。



戻ってきたエレベーターに乗り込むと、二人で奥にいった。


湊くんは、私の手をこっそり後ろに回すと、恋人繫ぎした。



いたずらっぽく笑いかけるその笑顔で、湊くんも男なんだって、一瞬で思い知らされた。



男友達なんていらないって思っていた理由を思い出した。



でも、不思議と背筋が寒くなったりすることはなくて、湊くんの手のぬくもりが、気持ちいい。




あまり、手に汗かかないんだな、湊くんは。なんか、清潔感のある手だ。


















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