あたしのオキテ-切なくて、でも忘れられない
湊くんは、少し涙目になった。



二人には、二人の素敵な思い出がいっぱいあったんだろうな、と胸がせつなくなった。




湊くんは、立ち上がって、店をでた。



あたしもその後を、あわてて追った。




あたしの肩を抱く湊くんの手は、ごつごつしていて、男の子だ。



不意にキスされて、心臓が破裂するかと思った。



湊くんのキスは、触れるか触れないかの一瞬のキスだったのに、電流が体中を駆け巡った。



お互いに、お互いの顔から目が放せない。




でも、みこのこと、大事にしたいから、今夜はこのまま帰す。



え、




あいつと俺は違うって、分かって







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