あたしのオキテ-切なくて、でも忘れられない
大学生の翔くんは、木曜日は昼過ぎからしか講義がないから、水曜の夜中は、丁度いいんだろう。



ほかの友達は、バイトや次の日朝早くから大学あったりして、忙しいみたい。そんなようなこと、前に言っていた。



気がついたら、あたしのアパートを訪ねてくる翔くん。



あっという間に、二人の唾液が重なって、ひとつになる。



うっとりしてしまう。気持ちよすぎて、もう、どうでもいいって思うの。



明日には何も残ってなくても、会ってないときはつらいだけだって、知ってても、この気持ちの前では、あがらえない。



翔くんは、スケベなおんなだなって思ってるのかな。



そうだけど、本当はそれだけじゃないんだよ、あたしは。


あたしはそんなことはおくびにも出さずに、この時間を楽しむ。翔くんは、まるであたしに恋してるみたいに、うっとりとあたしを見つめる。



あたしも、翔くんのまなざしを心地よく受け取る。









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