あたしのオキテ-切なくて、でも忘れられない
朝になると、どたばたしながら、仕事に行く準備するあたし、と、まだベッドで眠そうに目をこする翔くん。


前に一度、翔くんに鍵を渡そうとしたことがある。こんなとき、鍵があれば、昼間までゆっくり出来て、コンビ二行って、帰ってきてとかできて、便利なんじゃと思ったから。



いらない



翔くんは、はっきりとそう言った。



そっか、そうだよね、あはは




あたしはあわてて、冗談めかした。



翔くんは、何か考えているような顔をしてから、私から、目をそらした。


シャワー借りたら、俺もすぐ出てくから



翔くんが内側から鍵を閉めるのは、もう慣れたもので、私も心配してない。




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