目覚める度に、傷ついて
目覚め
朝、目が覚めて目を開けてしまうのは自然な流れだった。


夢から現実へと引き戻された瞬間、目は開けられてしまう。


あたしは白い天井を見上げて長く息を吐き出した。


「あぁ……」


ため息交じりの声が乾いた喉から出て来た。


電気をつけていない天井は明るく照らされていて、朝日が部屋に差し込んでいることがわかった。


外からは雨の音も聞こえて来なくて、天井を眺めているだけで今日は晴れだとわかった。


あたしは目を閉じて寝返りをうった。


できれば起きたくなかった。


どうして起きてしまったんだろうと後悔している。


もう１度寝てしまおう。


夢の中に入ってしまえば現実に何が起こっていても関係ないもんね。


そう決めてあたしは深く呼吸をする。


深呼吸をするように落ち着いて呼吸をしていると、眠気は自然と訪れる。


だが、一旦目覚めてしまったあたしを待っていたのは尿意だった。


寝る前にトイレに行っていても、朝にはどうしても行きたくなる。


健康である証拠だ。


その尿意さえ無視して眠りについてしまおうかと思ったが、一度気になると眠れなくなってしまう。
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