目覚める度に、傷ついて
「あいつら、言った事は全部実行する。有言実行だ。悪い方のな」


コンビニを出て天真はキョロキョロと周囲を見回した。


司と穂月の姿はない。


「先に学校に行ったのかな?」


そう聞くと、天真は「たぶん、そうだろうな」と、答えた。


あたしと天真は肩を並べて歩き出す。


「天真はどうして司たちに目を付けられたんだ?」


普通に生活しているだけなら、司たちのメンバーになる事はほとんどなさそうだ。


天真みたいにイジメに加担したくないなら、見て見ぬふりをしていれば平穏な生活を送れていたハズだ。


天真は突然足を止めると、あたしを睨み付けて来た。


「なんだよ?」


「お前のせいだろ」


「は?」


あたしは足を止めて天真を見る。


「お前、本当になにもかも忘れたのか?」


あたしと天真の間に強い風が吹いて、買い物袋がガサガサと音を立てた。


「お前が俺に隠し撮りをさせたんだろ」


一瞬にして、引き出しの中に入っていた写真を思い出す。


「あぁ……」


ため息とも、なんともつかない声があたしの口から洩れて出た。
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