目覚める度に、傷ついて
そんな人間のターゲットになっていたなんて、今更ながら身震いをした。


こうして一番最初に嫌と言うほど痛めつけておけば、後々抵抗しなくなるんだ。


『最初が肝心だからねぇ』


ユメノがあたしを踏みつけながらそう言っていたことを思い出し、吐き気を感じた。


ここにいちゃいけない。


ここにいたら頭がおかしくなってしまう。


ジリジリと後ずさりをするあたしに穂月が気が付いた。


「何逃げようとしてんの?」


そう言われた次の瞬間、あたしは走って逃げていたのだった……。
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