目覚める度に、傷ついて
止めたい
家に戻って来たあたしは少し疲れたからと言って自室へ戻っていた。


ノートを広げてペンを走らせる。


先ほどユメノの両親がユメノへ伝えた言葉をそのまま書いて、机に置いた。


記憶がなくても、これを見ればユメノの気持ちも変わるはずだ。


あたしは足音を忍ばせてそっと外へ出た。


少し歩いた場所に大きな交差点がある。


横断歩道まで歩いたところで、立ち止まった。


歩行者の信号は青から点滅へと変わっている。


あたしは赤になるのを待ち、右足を動かした。


目の端で右手からトラックから走って来るのが見えていた。


あたしはそのまま歩きだす。


トラックのクラクションが耳をつんざき、あたしの意識はプツリと途切れた。
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