目覚める度に、傷ついて
あたしはてっきり、自分をイジメていたメンバーの体ばかりにのり移っていると思っていた。


でも、そうじゃないのかもしれない。


この不思議な現象がどうして起きているのかもわかっていないのだ、今度は誰の体で目覚めるのか見当もつかない方が自然だった。


「クラス全員の体で目が覚めたらどうしよう」


あたしはそう呟く。


いや、クラスメートならまだいいのかもしれない。


見ず知らずの人になるよりもよっぽどマシだ。


あたしはため息を吐きながら学校へ行く準備を始めたのだった。
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