目覚める度に、傷ついて
ただ掃除をすることが苦手なのかもしれないが、こんな朝早い時間に誰もいないのは不思議だった。


どうしよう。


片づけをした方がいいだろうか？


リビングで立ち尽くして考えていた時、玄関のチャイムが鳴った。


ハッとして駆け出す。


司の両親が戻って来たのかもしれないと思い、よく確認もせずに鍵を開けた。


瞬間、ドアが開いた。


見知らぬ男が５人ほどぞろぞろと玄関に入り込んでくる。


全員同い年くらいに見えるけれど、赤や緑と言った髪の色をしていてすごく派手だ。


学校には行っていないのか、顔中にピアスを開けている子までいる。


「よぉ司！　またちょっとやっかいになるからな」


赤い髪の男がそう言い、あたしの肩をポンポン叩く。


「え？　やっかいにって？」


質問を無視してズカズカとリビングへ向かう男たち。


あたしは慌ててその後を追いかけた。


男たちは勝手にソファに寝転がったりテレビを付けたりしている。


この家の事をよく知っている様子だ。


「司ぁ。女呼べよ女ぁ」


さっきの赤い髪の男が振り向いてそう言って来た。


「え……？」


「持ってきてやったんだ。パーティーだよ！」


男はそう言い、ズボンのポケットから透明なナイロン袋を取り出した。


手のひらに収まるくらい小さな袋に中には白い粉が入っているのが見えた。


その粉がなんであるか、あたしは一瞬にして理解できた。


ドラッグだ……！


テレビドラマでしか見たことがないけれど、きっとそうだ。
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