目覚める度に、傷ついて
愛情
暗闇の中、突然鳴り響いたスマホの音に驚いて飛び起きた。


周囲を見回してみるとここは夏斗の部屋だと思い出した。


電気は消されていてあたしはベッドの上にいる。


夏斗は……?


そう考えてすぐに見つけた。


夏斗は床の上で眠っていた。


あたしをベッドの上に運んで、自分は下で寝たんだ。


もし分けなさを感じながらスマホを探す。


うるさい音に夏斗が寝返りをうち、うっすらと目を開けた。


「ご、ごめん。起こしちゃった」


「いや。穂月のスマホか……」


寝ぼけ眼でそう呟き、部屋の電気をつけてくれた夏斗。


穂月のスマホは床の上に投げ出されていた。


昨日制服のポケットから落ちたようだ。


「イツキ、穂月の両親からだ」


スマホを手に取った夏斗が慌てたようにそう言い、スマホを渡してくれた。


画面には『お母さん』と表示されている。
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