目覚める度に、傷ついて
その頃の出来事を想像してみる。


子供ができずに悩んでいた２人が穂月の可愛い笑顔に惹きつけられて、この子を育てようと決心する。


その気持ちが半端なものじゃないくらい、あたしにも理解できた。


他人を育てるのは、沢山の愛情を持っていないとできないことだと思う。


「お父さんもお母さんも、あたしを引き取った事を後悔してないの？」


「後悔なんて、するわけないじゃない」


お母さんが涙声でそう言った。


あたしはその言葉に心の奥がジワリと暖かくなるのを感じた。


そっか。


そうだよね。


穂月が帰ってこない事を心配して何度も連絡して、夜中に車を走らせて迎えに来てくれるんだもん。


よかった。


穂月もちゃんと愛されているんだ。


「今日は勝手なことしてごめんね」


そんな言葉が自然と出てきていた。


「あたしたちの方こそ、喧嘩ばかりして穂月の事をちゃんと見られなくなってごめんなさい。これからはちゃんと話し合って色々と決めていくからね」


こうして、両親と一緒にあたしは家に戻って来たのだった。
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