目覚める度に、傷ついて
そしてみんなになって目が覚めたんだ。


最初は奏。


次に浩志。


ユメノ、夏斗、司、穂月。


あれは夢じゃなかったんだ。


「イツキ、イツキごめんね、あたしたちあんたにひどい事した……!」


泣きながらそう言ったのは奏だった。


あたしは左右に首を振る。


さっきよりも体の自由が聞くようになってきた。


「みんな……傷ついてた……」


そう言うと、ユメノが握りしめる力を強めて来た。


「傷ついていたって他人を傷つけていい理由になんてならない。自分が弱いから、人を傷つけることで壊れないように保ってたの。でもそれは間違ってた。人を傷つけなくても、他の方法でストレスを発散すればよかったの」


ユメノが早口で言う。


それは今までの自分をちゃんと受け入れているといった様子だった。


「ユメノ……ごめん、事務所……」


「いいの! あんな事務所やめてよかった。それにね、あたし今度はちゃんとした事務所に入る事になったの。小さいけれど、前の事務所みたいなことは絶対にない。あたしの夢を一緒に叶えてくれるところだよ」


そう言うと、ユメノは満面の笑みを浮かべた。


「全部、イツキのおかげ」


「ユメノならきっと、大丈夫。あたし、応援する」
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