目覚める度に、傷ついて
☆☆☆
知らない男性とファミレスで待ち合わせをするなんて、今までのあたしじゃ考えられない事だった。
奏という体に入っているからできることだ。
あたしは窓際の席に座ってソワソワと周囲を見回した。
奏のスマホの中身を確認して、明という人物の写真を探したけれど見つける事ができなかった。
相手が現れても、あたしには誰だかわからないままなのだ。
そんな中でもできるだけ自然にふるまわなければいけないというのは、とても難しそうだ。
それでもここまで来てしまったのだから、もう後戻りはできなかった。
周囲を見回していると1人の男の人と視線がぶつかった。
「奏」
そう言って片手を上げて近づいて来る男性にあたしは唖然として目を見開いていた。
男性はビビットカラーの派手な服を着て、唇にピアスを開け、髪の色も金髪に近い。
年齢はあたしよりも少し上に見えるけれど、学校には行っていなさそうだ。
「なんだよお前、口をパクパクさせてさぁ」
あたしを見た男性はおかしそうに笑っていそう言った。
その声は間違いなく、電話越しに聞いた声と一致した。
これが明……?
奏の好きな人?
信じられなかった。
こんなに派手で遊んでいそうな人が相手だなんて思ってもいなかった。
知らない男性とファミレスで待ち合わせをするなんて、今までのあたしじゃ考えられない事だった。
奏という体に入っているからできることだ。
あたしは窓際の席に座ってソワソワと周囲を見回した。
奏のスマホの中身を確認して、明という人物の写真を探したけれど見つける事ができなかった。
相手が現れても、あたしには誰だかわからないままなのだ。
そんな中でもできるだけ自然にふるまわなければいけないというのは、とても難しそうだ。
それでもここまで来てしまったのだから、もう後戻りはできなかった。
周囲を見回していると1人の男の人と視線がぶつかった。
「奏」
そう言って片手を上げて近づいて来る男性にあたしは唖然として目を見開いていた。
男性はビビットカラーの派手な服を着て、唇にピアスを開け、髪の色も金髪に近い。
年齢はあたしよりも少し上に見えるけれど、学校には行っていなさそうだ。
「なんだよお前、口をパクパクさせてさぁ」
あたしを見た男性はおかしそうに笑っていそう言った。
その声は間違いなく、電話越しに聞いた声と一致した。
これが明……?
奏の好きな人?
信じられなかった。
こんなに派手で遊んでいそうな人が相手だなんて思ってもいなかった。