目覚める度に、傷ついて
あたしはそれほど時間が経過していたことに驚いた。


明さんとの会話が楽しくて、2時間も経っていた感覚がない。


あたしはマジマジと明さんの顔を見つめてしまった。


好きとかそんなこと関係ない。


こんなに楽しい会話ができる人に初めて出会って驚いているのだ。


明さんは首をかしげて「なに?」と聞いてくる。


あたしは左右に首を振った。


奏が明さんの事を好きになったのはとても納得できることだった。


「出ようか」


明さんがそう言い、伝票を持って立ち上がる。


「うん」


あたしも一緒に立ち上がり、レジへと向かった。
< 32 / 202 >

この作品をシェア

pagetop