目覚める度に、傷ついて
☆☆☆
学校へ向かっていると後ろから声をかけられて、あたしはビクンッと体を跳ねさせた。
振り返ると天真が走ってくるのが見えた。
「おはよう浩志」
「おはよう天真」
ドキドキしながら天真と並んで歩き出す。
「昨日イツキ来なかったな」
天真の口から不意にあたしの名前が出て一瞬言葉を失ってしまった。
「なぁ? 浩志?」
「ん、あ、あぁ。そうだな」
ぎこちなく返事をする。
あたしはここにいると言ったら、天真はどんな顔をするだろうか。
「昨日さ、帰りがけに担任に呼び出されたんだ。イツキについて何か知っていることはないかって」
その言葉にあたしは驚いて天真を見た。
「それって……?」
「特に知らないって答えたら、すぐに解放された。俺、何も言ってないからな」
早口にそう言う天真。
イジメグループの裏切者だと思われるのが怖いのだろう。
だけどあたしが驚いたのはそういうことじゃなかった。
先生があたしの事をこっそり生徒に質問していたことが驚きだったのだ。
学校へ向かっていると後ろから声をかけられて、あたしはビクンッと体を跳ねさせた。
振り返ると天真が走ってくるのが見えた。
「おはよう浩志」
「おはよう天真」
ドキドキしながら天真と並んで歩き出す。
「昨日イツキ来なかったな」
天真の口から不意にあたしの名前が出て一瞬言葉を失ってしまった。
「なぁ? 浩志?」
「ん、あ、あぁ。そうだな」
ぎこちなく返事をする。
あたしはここにいると言ったら、天真はどんな顔をするだろうか。
「昨日さ、帰りがけに担任に呼び出されたんだ。イツキについて何か知っていることはないかって」
その言葉にあたしは驚いて天真を見た。
「それって……?」
「特に知らないって答えたら、すぐに解放された。俺、何も言ってないからな」
早口にそう言う天真。
イジメグループの裏切者だと思われるのが怖いのだろう。
だけどあたしが驚いたのはそういうことじゃなかった。
先生があたしの事をこっそり生徒に質問していたことが驚きだったのだ。