目覚める度に、傷ついて
☆☆☆
教室内でぼんやりと時間を過ごしていると、奏が登校してきた。
奏は制服の下にハイネックのサマーセーターを着込んでいる。
その姿にあたしは思わず「奏!」と、声をかけていた。
同じメンバーの浩志から声をかけられるのは不自然じゃないはずだ。
だけど奏はあからさまにしかめっ面を浮かべた。
その表情はあたしが受けていた眼差しと同じもので、一瞬たじろいてしまう。
それでもあたしは奏に近づいた。
「今日、顔色が悪いけどどうした?」
できるだけ男っぽい口調を心掛けてそう聞いた。
「あぁ……うん。ちょっとね」
そう言い、席に座る奏。
「ハイネック……」
「なによ?」
「いや、暑くないのかなって」
しどろもどろにそう質問をする。
どうやらイジメメンバーの中にも上下関係が存在していて、浩志は奏よりも下のようだ。
奏はさっきから笑顔をさえ見せてくれない。
教室内でぼんやりと時間を過ごしていると、奏が登校してきた。
奏は制服の下にハイネックのサマーセーターを着込んでいる。
その姿にあたしは思わず「奏!」と、声をかけていた。
同じメンバーの浩志から声をかけられるのは不自然じゃないはずだ。
だけど奏はあからさまにしかめっ面を浮かべた。
その表情はあたしが受けていた眼差しと同じもので、一瞬たじろいてしまう。
それでもあたしは奏に近づいた。
「今日、顔色が悪いけどどうした?」
できるだけ男っぽい口調を心掛けてそう聞いた。
「あぁ……うん。ちょっとね」
そう言い、席に座る奏。
「ハイネック……」
「なによ?」
「いや、暑くないのかなって」
しどろもどろにそう質問をする。
どうやらイジメメンバーの中にも上下関係が存在していて、浩志は奏よりも下のようだ。
奏はさっきから笑顔をさえ見せてくれない。