目覚める度に、傷ついて
☆☆☆

自分の自殺が事故として報告されたことは理不尽だった。


だけど同時にホッとしてもいた。


自殺未遂をして入院中だと知らされた時、クラスメートがどんな反応を見せるかが怖かった。


さっきみたいに楽しそうに笑われたかもしれないのだ。


そう考えるだけであたしの胸は苦しくなった。


「岡本君、少しいいかな?」


その声に顔を上げると先生が目の前に立っていた。


「え、俺ですか……?」


「少し聞きたいことがあるんだけど」


先生の口調はとても穏やかだ。


立ち上がった時に視線を感じて顔を巡らせると、天真と目があった。


天真は不安そうな表情をこちらへ向けている。


天真は昨日先生にあたしについて何か知っていることはないかと質問されたらしい。


今度はあたしの番なのかもしれない。


あたしは天真へ向けて頷いてみせた。


心配するなと伝えたつもりだ。
< 50 / 202 >

この作品をシェア

pagetop