目覚める度に、傷ついて
昼休み
昼休みになるころにはミカちゃんの制服の背中は真っ黒になっていた。


そのブラウスの下の皮膚がどうなっているのか、想像するだけでもつらくて目をそむける。


ミカちゃんは今どんな気持ちでイジメられているんだろう。


あたしがしばらく登校して来ないと知った時、どんな気持ちだったんだろう。


「浩志、メシ食おうぜ」


天真にそう声をかけられて、あたしは我に返った。


だけど食欲なんてない。


お手伝いさんが持たせてくれた豪華なお弁当を目の前にしても、手を付ける気にはなれなかった。


「お前、先生に呼ばれてたろ」


ウインナーを口に入れた天真が、モグモグと口を動かしながらそう聞いて来た。


「あぁ……でも、よくわからなかった」


あたしは素直にそう言った。


先生が浩志に何を伝えたかったのか、本当にわからないままだ。


「イツキの事を聞かれたんじゃないのか?」



「違う」


短く返事をして左右に首をふる。


「そっか。他の生徒たちも先生に質問されたりしてるらしいけどなぁ」


天真はそう言って首を傾げた。
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