目覚める度に、傷ついて
助ける
父親の話によると、仕事の都合で近くまで来たので一旦家に戻ってきていたそうだ。


しかし、明日にはまたすぐに出かけないといけないらしい。


「お父……さん」


家に戻ってリビングのソファに座ったあたしは、目の前に座っている男性にぎこちなくそう声をかけた。


「どうした浩志?」


男性は葉巻に火を付けている。


「えっと……あの……」


浩志のお父さんには色々と聞きたい事があった。


あたしの自殺を隠ぺいしたのか、どうか。


そして浩志と明さんの関係についても。


だけど、なにをどう聞けばいいのかわからない。


突然そんな質問をすれば怪しまれるかもしれない。


「そういえば、今年の誕生日はどうする?」


考えている最中にそう聞かれて「え、あ……」と、言葉に詰まる。


浩志の誕生日まであと2か月はある。


だけど大きなパーティーを開くため、早めに準備が必要なのだろう。
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