目覚める度に、傷ついて
その言葉にあたしは何度も頷いた。


浩志の父親がどんな人か知らないが、イジメを隠ぺいする手伝いをしているなんて信じられなかった。


「お父さん……。お父さんは誰の為に権力を使う?」


「私は自分が正しいと思った時に使う」


「それって、具体的には?」


「家族を守るため。それが一番だ」


父親はそう言うと、あたしを残してリビングを出たのだった。
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