目覚める度に、傷ついて
「そっか……」


あたしは嬉しさが込み上げてくるのをグッと押し殺した。


こんな事で喜んでいてはいけない。


「どうにかできないかな」


天真はそう呟き、空を見上げた。


「どうにかって?」


「できたらイジメを止めさせたい。それが無理でも、俺たちだけでもメンバーから抜けられないかな?」


「天真、それってずっと考えてたことか?」


「当たり前だろ!!」


天真がまた怒ったようにそう言った。


怒られているのに、あたしはまた嬉しくなってしまった。


だけど同時に疑問が頭をもたげて来た。


浩志がイジメのメンバーから抜けられないのは、穂月に恋をしているからだ。


じゃぁ、天真はどうなんだろう?


イジメのメンバーから抜ける事を考えているのに、実行できない理由がなにかありそうだ。
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