目覚める度に、傷ついて
なんであたしがミカイジメに加担しなきゃならないの。


そんな気持ちだった。


天真だってきっと同じ気持ちのはずなのに、驚いたようにあたしを見つめた。


「でも、参加しなきゃ全裸で体育館10週だぞ?」


「はぁ?」


あたしは思わず大きな声を出してしまっていた。


イジメに参加しないと全裸で体育館10週。


そんなの脅し文句に決まってる。


「放課後の体育館で走るんだ。少しでもペースが落ちれば1周追加される」


「そんなの、先生にすぐバレるだろ」


体育館では部活動も行っているし、部活の終わりにはちゃんと鍵がかけられるんだから。


しかし、天真は呆れたような顔を浮かべてあたしを見て来た。


「浩志、お前大丈夫か?」


「大丈夫って、なにがだよ?」


「司は体育館のスペアキーを勝手に作って持ってる。1年生の時にバスケ部で施錠を任された時に、こっそっり作っただろうが」


そう言われてあたしは唖然としてしまった。


驚きすぎて言葉も出ない。


そうこうしている間にレジは進み、順番が回って来た。
< 98 / 202 >

この作品をシェア

pagetop