キミの笑顔が見たいだけ。
「な、なに泣いてんだよ」
意味わかんねーし。
「成長したなぁと思って」
「はぁ?」
「とにかく、応援してるから頑張って!あ、いつでもうちに連れて来ていいからね」
だから、呼べるような間柄じゃねーし。
つか、泣きたいのは俺の方なんだよ!
「連れて来るなら、出来るだけ早くしろよ」
「?」
「前に言っただろ?時間は、あるようでないって」
「それって、どういう意味だよ?」
なんでまた寂しそうな顔で俺を見るんだよ。
わけわかんねーよ、オヤジの奴。
「あいつも……菜都もたまにオヤジと同じように寂しそうな顔してる。なんかあるんだろ?あいつ、病気なのか?」
ずっと頭によぎっていたことを、オヤジにぶつけた。
オヤジの診察を受けてたってことは、それ以外に考えられない。
「なんか重い病気なのかよ?」
「個人情報は言えないって、何度も言ってるだろ」
「んだよ……それ。だったら、意味深なこと言うんじゃねーよ」
結局、ほとんどなにも口にすることなく部屋に戻った。
さっきのオヤジの態度からして、明らかに何かありそうな気がする。
脳外を受診するっつったら、相当なことがない限りはしないよな。
『あたし、体が弱いから』
『自分の命が、あと半年だって知ったらどうする?』
なぜか今になって思い出す言葉の数々。
菜都はなんで俺にそんなことを聞いたんだ?
ただ何となく聞いたんだと思ってたけど、他に意味があんのかよ?
わかんねー。
わかんねーけど、なぜか引っかかる。