キミの笑顔が見たいだけ。


「…………」


だって……言えないよ。


花純を悲しませたくないんだもん。


「これ」


うつむいたまま何も言えずにいると、花純が突然カバンから何かを取り出した。


「さっきそこの雑貨屋さんで買ったクリスマスプレゼント」


「え?」


「菜都へのプレゼントだよ」


「あたし……?」


「うん、あげる」


「で、でも……」


っていうか、あたし何も用意してないよ。


高垣君のプレゼント選びだって、花純の話を適当に受け流してるだけだった。


こんなあたしといても、楽しくないよね。


それなのに、花純は怒るどころかプレゼントまで用意してくれるなんて。


どうしようもないほどの罪悪感が込み上げた。


「付き合いは浅いけど、あたしは菜都のことが好きだから」


「花純……」


「何か悩んでるなら、力になりたいの」


「…………」


もしかすると、花純なりにあたしのことで悩んでいたのかな。


ツラい思いをさせちゃってた?


「ごめんね……花純」


あたし、何もわかってなかった。


自分のことでいっぱいいっぱいで、周りが見えてなかった。


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