キミの笑顔が見たいだけ。


もう限界だった。


これ以上隠し通せない。


誰かに聞いてほしかった。


弱音を吐ける場所がほしかった。


「花純……あたし……矢沢君が好き」


「うん……知ってたよ。菜都見てたら、バレバレだもん」


鼻をすすりながら花純が笑った。


「ホントは……矢沢君に何度も告白されてるの」


「え……?そうなの?」


「うん……」


今までホントのことが言えなかった罪悪感から、花純の目を見られない。


「付き合わないの?好きなんだよね……?」


いつの間にか、パスタを食べる花純の手が止まっていた。


心配してくれているのがヒシヒシ伝わって来る。


「好きだけど……付き合えない」


「なんで?」


「…………」


言わなきゃ納得してもらえない。


ほら、言えあたし。


「あたし……病気なの。頭の中に腫瘍があって、治るかどうかわからないんだ」


「びょう、き……?ウソ」


「ホントだよ」


「ウソでしょ……?なんで?」


花純の声が震えている。


そっと顔を上げると、目を真っ赤にしながら泣いていた。


「花純……泣かないで。ごめんね……こんな話をして」


「あたしこそ……ごめん。そんな理由があったなんて知らなくて、無理やり問いただすようなことしちゃった」


「ううん……」


花純は悪くない。


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