キミの笑顔が見たいだけ。
「でも、信じられないよ……ホントに病気なの?治るかどうかわからないって、どういうこと?」
花純の大きな目から涙がこぼれ落ちた。
あたしのために涙を流してくれる優しい花純。
「ホントだよ……完治が難しいって言われてるの。治らなかったら、その時は……」
「……っ」
何も言わなくても、伝わったらしい。
花純は静かに泣いていた。
涙が出そうになったけど、唇を噛んで必死に耐える。
「菜都……ガマンしなくて……っいいんだよ?ツラいなら……一緒に泣こ?」
「……っ」
喉の奥がカーッと熱くなって目の前がボヤける。
少しでも動くと、涙がこぼれ落ちそうだ。
「ツラい時は……あたしも一緒に泣くから……っ。だから……諦めないでっ。菜都の病気は……絶対治るっ」
「花純……っ」
あたしたちは手を取り合って涙を流した。
それだけで重かった心がスッと軽くなっていくような気がして、いつまでもいつまでも止まらなかった。
花純……ごめんね。
そして、ありがとう。
でもね、余命のことはどうしても言えなかった。
花純の泣き顔を、これ以上見たくなかったの。
「矢沢君には……言わないでね」
「なんで……?言うべきだよ。両想いなんだから。きちんと伝えるべきだと思う」
「両想いだったとしても、付き合うことはないから」
だって、こんなあたし重いでしょ?