キミの笑顔が見たいだけ。
そんなことを言われても、正直困る。
あたしにどうしろっていうの?
「マジでこの子が晶斗の彼女?」
「おー、噂の?」
「晶斗が惚れ込んでるってマジだったんだ?」
「いやいや、彼女じゃないらしい。片想いつってた」
「マジかよ、あいつが片想いとか!はははっ!」
えと。
「おー、でもすっげー可愛いじゃん」
えっと……。
「名前は?」
「同じ高校なんだよな?」
知らない人たちに囲まれて、ビクビクしてしまう。
「身長何センチ?」
「ちっさいよなぁ。可愛い」
あちこちから色んなことを言われてオロオロしてしまう。
えーっと……どうしよう。
助けを求めるように高垣君の顔を見上げた。
「ほら、お前ら図体でかいから春田さんが怖がってんだろ?周りを囲むなっつーの。撤収撤収。行くぞ」
「えー、なんだよ。これからがいいところだったのに」
「そうだそうだ。晶斗の好きな女を見られるなんてレアだからな」
「くだらないこと言ってないでさっさと行くぞ。カラオケが混むだろーが。春田さん、なんかごめんな」
男子たちの背中を押しながら、高垣君は申し訳なさそうに謝ってくれた。