キミの笑顔が見たいだけ。
なん、だよ……。
なんなんだよ、ごめんって。
つーか……最終電車だろ?
このあと、お前はどうすんだよ?
帰って来れねーだろうが、バカ。
「っ……どうしたら、いいんだよ」
とにかく次の駅で降りるしかない。
降りてそっから走ればまた駅に戻れる。
そんなことを考えていた矢先ーー。
ポケットに入れてたスマホが鳴った。
『ごめんね。知らない駅だって言ったけど、あれはウソ。おばあちゃんちの近くの駅なんだ。あたしはおばあちゃんの家に泊まるから心配しないで。気を付けて帰ってね!』
開いてみると、菜都からのメッセージ。
なんだよ……ウソって。
知ってる場所だったのかよ。
心配させやがって。
もしかすると、菜都は最初からこうするためにここに来たのか?
笑ってるように見えたけど、ホントは泣きたかったはずだよな。
俺の前で笑ってたのはただの強がりで、今頃ひとりで泣いているかもしれない。
作り笑いまで浮かべて俺を遠ざけたのは、それなりの強い覚悟があったから……だよな?
菜都は俺から離れたがってる。
けど……俺は、離れたくねー。
たとえどんな理由があろうと、諦めたくねー。
くそっ、どうすりゃいいんだよ。