キミの笑顔が見たいだけ。
だからお願い……。
最期の時まで、そばにいて。
「晶斗……あたし……っあたし」
大きなその背中にギュッとしがみついて顔を埋める。
「ほんとは、めちゃくちゃ怖い……」
この世からいなくなってしまうこと。
みんなから忘れられてしまうことが。
ほんとは……もっと生きたい。
なんであたしがこんな目に遭わなきゃいけないの。
ずっと一緒にいたいよ……。
好きになればなるほど、そんな想いが強くなる。
このままずっと一緒にいられたら、どんなにいいかな。
ワガママなあたしでごめんね。
「どんなことがあっても、俺はこの先もずっと菜都のそばにいる」
晶斗の大きな背中が、晶斗の声が、小刻みに震えている。
あたしは泣かないように大きく息を吸い込んで、ゆっくり吐き出した。
晶斗を不安にさせちゃダメ。
なにやってんの、あたし。
「……ごめんね」
もう弱音は吐かないから。
強くなってみせるから。
だからお願い、最後の最期までそばにいて。
晶斗がいてくれたら、きっと大丈夫だから。